ジャンボタニシ対策
本年度の稲作はジャンボタニシの被害が各地で多く発生しました。温暖化などの影響もあり、越冬する個体が増えたことも被害拡大の一因です。ジャンボタニシの対策をご紹介します。
◆スクミリンゴガイノの特徴(1日に体重の半分を食す大食漢! その繁殖力も脅威)
スクミリンゴガイの食性は、雑食で植物質から動物質まで幅広くエサにし、特に柔らかい物を好みます。食欲はとても旺盛で、1日に自分の体重の半分ほどの量を摂取するので農作物への被害は甚大です。水稲での被害がクローズアップされていますが、稲はスクミリンゴガイの大好物ではありません。田植え直後の水田には、生育初期の稲しかないので食べられてしまうのです。育苗日数にもよりますが、田植え直後から2~3週間が防除の必要な期間で、その後は生長して堅くしっかりとした稲になるので、スクミリンゴガイに食べられることはありません。また貝は水中でしか稲を食べることができません。南米原産のスクミリンゴガイは温暖な気候を好み、寒い時期には土に潜り、用水路の温かい場所でじっとして越冬し、水温が上がる田植えシーズンに活性化します。
繁殖が可能になった雌貝は3~4日おきに産卵し、卵塊(1卵塊に200~300卵)を稲の茎や用水路の壁などに産み付けます。卵は、10日ほどで孵化して、2カ月ほどで成熟するという高い繁殖力を誇ります。卵塊は、鮮やかなピンク色で初めて見た方は一様に驚きますが、自然界では警告色の意味合いもあり、卵には毒もあるので鳥などに捕食されないようです。
◆1農薬による防除
【スクミノン粒剤】の散布
主成分である「メタアルデヒド粒剤」は食べることで貝を麻痺させることで殺貝ます。
スクミリンゴガイは稲苗の柔らかい時期に加害を起こすので、移植栽培の場合は移植直後~約2週間後(地域によって異なります)、直播栽培の場合は播種後~約1ヵ月の防除が重要となります。
スクミノンを使用する場合は全面均一散布が基本ですが、水口周辺や深水になる場所は被害が多い傾向にありますので、それらの場所には所定の範囲内で多めに散布することをお勧めします。
◆2耕種的防除
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